私たちは、食べ物からエネルギーや体の構成成分を摂り込むことで、生命を維持することができます。食事を通して、十分な栄養分を毎日補給し続けなければ、体の機能は低下し、心も壊れたり燃え尽き、やがて生きる意欲を失ったりしてしまいます。心身の健康も病気も、毎日の食事の積み重ねが重要です。
食品の中にどんなに優れた栄養素が含まれていたとしても、そのままでは体に有効に働くことはできません。食事から摂取した栄養分は、体内で「消化」されることで体に吸収できる形に変化します。その後、吸収され、必要な成分に作り変えられることで、初めて有効な働きをするのです。
食品中の栄養素が体内に吸収されたあと、エネルギーや体に必要な物質に合成され消費されることを「代謝」と言います。
「より良い食生活にする」とは、バランスよく食べて終わりではありません。食べたものが分解吸収され、適切な形に合成されなければ、体に有用な働きはできないこと。また、不要になった成分を分解して排出する形に変え、スムーズに排出する働きが機能していること。この2つの両輪に目を向け、食生活を営んでいくこと(=スムーズな代謝)が大切です。
それには、消化吸収をスムーズに行うために「よく噛む」ことと、副交感神経優位の「リラックスした環境で食べること」が大切です。
体に必要な栄養素をすべて含む食品はありません。含まれる栄養素は食品ごとにことなるため、さまざまな食品を組み合わせて食べることが、体に必要な栄養素を満たす条件となります。