雑穀を利用しよう

 精製された白米が主食として定着するようになったのは昭和の初期。そのころから徐々に姿を消し始めてしまった玄米・雑穀など、伝統食に使われてきた穀物類には、白米に比べてたんぱく質・ビタミン・ミネラル・食物繊維が多く含まれています。
 これらの栄養素を含み、体の調子を整える働きのある雑穀を白米や分づき米に加えることは、老廃物の排出や新陳代謝がスムーズに行われることに役立ち、美肌やむくみを取るなどの美容効果も有します。栄養豊富な雑穀を玄米・分づき米・白米に加えることで、主食のバリエーションが広がり、食の楽しみが広がります。一日に食べられる食事量には限りがあります。1回1回の食事の質を向上させることは、とても効率的な健康管理と言えます。
 
 五穀とは「米(玄米)・麦・あわ・ひえ・きび」を指し、これらはすべて穀物の仲間に分類される食材です。
 この五穀から米と麦を除き、そばやとうもろこしなどを加えた穀物の総称を「雑穀」と呼びます。

 「きび・もちきび・高きび・あわ・もちあわ・ひえ・大麦・はと麦・もち麦・まる麦・そば・アマランサス・キヌア・シコクビエ・赤米・黒米・緑米・古代米」など、さまざまな種類があり、それぞれに栄養価や風味などの特徴があります。
 これら一つひとつには白米に比べて強い個性があるため、雑穀米にする場合は、たくさんの種類を混ぜ合わせると雑味が出てしまい、おいしさが損なわれる場合があります。まずは、いなきび・たかきび・黒米・あわ・ひえなどから取り入れるとよいでしょう。
 
 アマランサス・キヌア・はと麦などはサラダやスープにも取り入れやすく、抗酸化作用や利尿作用のある成分を含むため、美容効果も期待される食材です。黒米などの紫色を呈するものには、アントシアニンと呼ばれる抗酸化作用のある成分が含まれています。
 購入する際は、国によって農薬の基準が違いますので、できるだけ国産で、出所がはっきりしたものを選ぶのが理想的です。使用する前には米と一緒に水でよく洗ってから使います。