食育は教育の一環であるがゆえに、学校や地域で行う「食育の行事や授業」が食育の全てであるかのように捉えられがちです。しかし、食育の最も基本となるのは、家庭での食事を楽しく、生き生きと食べることです。「毎日食べているお母さんの料理」が教材となり、自然な形で継続的に行えるものである必要があります。
自分の子どもからその先へと大切に伝えられるものですので、お母さん自身が自信を持って実践していくことが大切です。
人は成長期に何を食べたかで一生が決まると言われます。特に、「つ」がつく年齢、すなわち9歳までが大切で、アメリカの研究では特に6歳までの食事がその子の一生に及ぶ健康や知能に影響を与えると言われています。ですから、子どもが「食選択について自ら考え行動できるようになる」という「食育のゴール」に向けて、「つ」のつく9歳までにやっておきたいことがあります。
しかし、情報があふれるがゆえに方法に迷い、また、専門書は難しく書かれており全体像の理解が難しいのが現状です。生活習慣病の予防、子どもの肥満や痩せの防止、高齢期を健やかに送るための実践は、国を挙げて取り組んでいるにもかかわらず、多くの情報から自分で取捨選択していく力に任されているのが現状です。
私は、核家族化が進み、育児の負担がお母さんにかかりがちな現代において、できるだけ手間をかけなくとも「成長に必要な栄養が摂れる食事」を作り続けていくために、多くの情報から「お母さん」がキッチンで実践するリアルなの視点で見て実践しやすい方法や着眼点などをまとめる必要性を感じました。
自分の仕事を持ちながら子育てする忙しい女性が、限られた時間で日々の食事作りを継続的に行っていくための具体的方法。子どもの情緒が育つコミュニケーションの具体的方法。これらについて一定の方法を明示し、それを実践しながら、自分らしい食育スタイルを築き、家庭も仕事も楽しみながら暮らしていって欲しいと願い、この食育革命をまとめました。
食育革命には、現代栄養学・分子栄養学・ホリスティック栄養学・マクロビオティック・ナチュラルエイジングなどの食事法を取り入れています。
◆ 生活習慣病予防や、女性の痩せすぎ防止、健やかな妊娠期ための「予防医学」の知識
◆ 365日の食事を作り続ける「料理力」
◆ 子どもと過ごす食事の時間を通して自然に食育を行う「食卓教育」
この「予防医学×料理力×食卓教育」を実践できるようになるために、食育革命をフルに活用し、質の高い食事をラクに楽しく保ち、ガッシリとした心身を創り上げていっていただきたいと思います。そうして私は、
◆ この日本の健康が底上げされること。
◆ もともと素晴らしい力を持って生まれてくる子たちが、自分らしく生きていけること。
◆ 日本の女性がすでにあるそれぞれの美しさを大切にしながら、一生を自分らしく暮らしていけること。
これらを心から願っています。