教育の柱として、従来から「知育」「徳育」「体育」があげられていますが、その土台となるべきものと位置づけられているのが「食育」です。
食育とは、さまざまな経験を通して、「食に関する知識」と「食を選択する力」を習得し、健全な食生活を実践できる人を育てることであり、食育のねらいは生きる力を身につけることと定義されています。
子どもの心身ともに健やかな大人に成長させるものでもあり、主として青少年や子どものためのものと考えられていますが、これからは大人にとっても重要なことであり、平均寿命と健康寿命に約10年の開きがあることを考えると、生涯にわたり常に意識しなければならないものです。大人たちの「食育」こそが、次世代が担うことに大きな影響を与えるのだ、ということを理解しておく必要があります。
食育に関する基本理念
2005年に制定された食育基本法は、日本国民の生活と、豊かで活力ある社会の現実に寄与することを目的としています。基本理念には、以下のように記されています。
- 国民の心身の健康の増進と豊かな人間形成
- 食に関する感謝の念と理解
- 食育推進運動の展開
- 子どもの食育における保護者、教育関係者等の役割
- 食に関する体験活動と食育推進活動の実践
- 伝統的な食文化、環境と調和した生産等への配慮および農山漁村の活性化と食料自給率向上への貢献
- 食品の安全性の確保等における食育の役割