子どもの肥満と痩せ

子どもの健康をめぐる問題のひとつに、肥満の増加があります。
学童期の肥満は、約70%という高い確率で成人肥満に移行し、生活習慣病を引き起こすことから、厚生労働省では、小・中学生を対象としたメタボリックシンドロームの診断基準を検討するなど、子どもの肥満予防に関する対策を講じています。

小学生の肥満児の出現率がピークになる10~12歳は、特に注意が必要です。この時期の肥満は、男子のほうが女子よりも多いことから、「9歳までに家庭で望ましい食生活と運動習慣を身につけること」は、一生に渡って健康を維持することに役立ちます。和食を大切にする、粉食・濃食に気をつける、ペットボトル飲料を常飲しないなどの対策は、共食を通して実践していくとよいでしょう。

一方で、思春期痩せ症の増加、その発症の低年齢化も問題となっています。
発症すると、栄養不足から元気が出ない、不眠、疲労感などの症状があらわれ、免疫力低下やうつ状態も引き起こします。強い痩せ願望や、この時期のダイエットには、大きなリスクがあります。
思春期は、子どもを産み育てる準備のためにも、健全な体作りが大切な時期です。テレビや雑誌などによる情報があふれる中で、誤った食事制限によって体調を崩すことがないように注意が必要です。
子どもは、お母さんやお父さんの食事をモデリングしながら食習慣を形成していきます。お母さん自身が、偏った食生活をしていたり、無理なダイエットをしていないかを振り返ってみましょう。

増加している子どもの肥満とやせ

小学4~6年生(肥満)
男子: 28.5%
女子: 22.8%
小学4~6年生(やせ)
男子: 13.5%
女子: 24.6%
中学生(肥満)
男子: 18.6%
女子: 28.2%
中学生(やせ)
男子: 33.8%
女子: 16.6%

※出典・参考:子どもの栄養と食育がわかる事典