「共食」とは、生活や社会活動を一緒にしている誰かと食行動(食べる行動、作る行動、情報を交換し、食生活を育む力を育て、伝承する行動)を共有することです。特に、家族と食事の時間や場所を共有することは、子どもの食事や健康面の良好さ、食事の楽しさ、食欲や好き嫌いの克服と関連していることが、国内外の研究で明らかになっています。
1日3回繰り返される食事、そしてそれに伴う「準備・後片づけ・会話」などの行動を共に行うことで、家族の心や体調を知ることができます。さらに、お互いのことをもっと知りあう大切な時間となります。一方で、現代の食の問題点として「コショク」があります。
- 孤食・・・食事を一人で食べること。
- 個食・・・家族が同じ食卓に居ながら、皆バラバラに違った好きな物を食べること。
- 固食・・・決まったものしか食べないこと。自分の好きな物しか食べないこと。
- 小食・・・いつも食欲がなく、少しの量しか食べないこと。
- 粉食・・・パン・ピザ・ラーメン・パスタなど、小麦を使った主食を中心とした食事のこと。
- 濃食・・・調理済みの加工品など、味の濃いものばかり食べること。
家族が同じ食卓にいながら、皆がバラバラに好きな物を食べる「個食」ではなく、家族が同じ食事を囲む「共食」を通して子どもの食習慣は身についていきます。個食は、子どもの気持ちを尊重しているように思えますが、少し嫌いな食品を食べてみようとか、食べる経験を積むことができなくなってします。
また、「おいしさ」は視覚から入る情報に大きく左右されます。
スマートフォンやテレビなどを見ながらの食事は、本来の共食の姿でないため、テレビを消して大人も子どもも「みんなと同じものを食べるのは楽しいな」ということを感じる経験を積んでいきましょう。小さいころから、家族と一緒に楽しく食事を囲むことの心地よさを感じた経験は、子どもの心の根っこを丈夫でしなかやなものにしてくれます。